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薀蓄を少々・・
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「和包丁」とは、魚や野菜を中心とした日本の食文化に適した形の包丁のことで、
「出刃」「柳刃」「菜切」に大別される包丁のことです。
刃の付け方は菜切を除いて基本的には片刃で、右利き用、左利き用とあります。
ちなみに左利き用は値段が2〜3割ほど高いです。
切った断面の美しさ艶を重視する日本料理では、
材料の組織に密着して切れる片刃の方が適しているそうです。
出刃の一部にもろ刃(刃が両方についている)がありますが、これは魚の兜(頭)を
上手く割るための物で、私のような者が使うための包丁でプロの包丁人は使わない代物です。
もろ刃の包丁は真っ直ぐに切り込みやすいため、兜割りに適しているのでしょう。
構造上、「合わせ包丁」と「本焼き包丁」の2種類があります。
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刺身包丁 | 特徴・用途 |
柳刃包丁 |
柳の葉のような形のため柳刃と言われます。
「刺身包丁」と言えば柳刃のことを言います。
もとは関西で主要に使われてきた刺身包丁です。
菖蒲の葉に似ていることから「正夫」とも言われます。
先が尖っていて、これが色々と 細工をする上で使いやすい。
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蛸引包丁 |
関東で使われてきた刺身包丁。
本来は刺身包丁と言えばこの「蛸引(たこひき)」のことを言いました。
柳刃との相違点は全体的に薄く、先が平たく、
刃から根元までが直線的という点になります。
タコだけでなく、特に身の柔らかい魚を切るのに適しています。
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フグ引き包丁 |
形は柳刃と同じです。
ふぐの薄作りを作るために包丁の厚みが極めて薄く造られています。
この包丁が無いと薄作りは作れないと言って過言ではありません。
刀身が非常に薄いため、使用上は勿論、研ぐ上で最も神経を使います。
刃が薄く幅もせまいため、
ふぐなど身の硬い魚を薄作りにするのに適しています。
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出刃包丁 | 特徴・用途 |
出刃 |
叩き切ることが出来るように刃は分厚く重く作られています。
素材(魚、鳥など)の下処理や骨を叩き切ったり、甲羅を割ったり、身を下ろしたりするのに使用。
素材に合った大きさ、重さ、厚みの選択が必要。
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相出刃 |
刃の厚みが出刃より薄く細身に作られています。
2枚、3枚下ろしや皮引き、切り出しに適しています。
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身おろし出刃 |
刃の幅が細身で薄くて反りもゆるやかです。
切身や2枚、3枚下ろしやしやすいように刃渡りが長く作られています。
刃が薄く幅もせまいため、
料理屋さんでよく使われています。
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舟行 |
漁師さんが釣った魚をその場で料理するために船に持込んだのが名前の由来だとか。
刃が出刃包丁より薄く刺身包丁よりは厚みが有ります。
魚だけではなく野菜を切るのにも便利なため、家庭用の万能包丁としても使用可能です。
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構造上、「本焼き包丁」と「合わせ包丁」の2タイプ有り、合わせを「霞」と言います。
「本焼き」とは、包丁すべて(柄は除く)を鋼で造った物を言います。
この鋼がけっこう高価でして、包丁をまるごと鋼で造ると非常に値段が高くなってしまいます。
また、大変硬く出来ているため衝撃には弱く、欠けやすく折れやすいのが難点です。
ただし、硬いために切れ味は長持ちします。
包丁全体が鋼で出来ているので、
研いですり減って包丁がアジ切り程度に小さくなっても切れ味は変わらず使い続けることが出来ます。
「合わせ包丁(霞包丁)」は、軟鉄と鋼をはり合わせて刃の部分だけを鋼で造った物を言います。
硬く欠けやすい鋼の周りを軟鉄が囲うような形となっているので、
少々の乱暴な扱いにも耐えられ、使いやすくなっています。
「霞」と言われる理由は、しのぎに軟鉄と鋼の境界線がでて、
これが霞がかかったように見えるから・・・らしいです。
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安来鋼(やすきはがね)
まずは材料の鋼(ハガネ)。
代表的な物に安来鋼、玉鋼、スウェーデン鋼、フエ二ックス鋼などがありますが、
和包丁の場合はほとんどが安来鋼を使います。
日立金属株式会社の安来工場(鳥根県)で生産されている鋼を「安来鋼」と言います。
この安来鋼の薀蓄を始めるとキリがないので、適当に端折ってします。
日本刀は砂鉄を原料とした和銅で作られていて、その鋭利さは言うまでもないですね。
その和銅の原料から日立金属が開発した鋼が安来鋼で、安来工場で生産されています。
和包丁に使われる炭素鋼としては、「白紙(しろがみ)」、「黄紙(きがみ)」、「青紙(あおがみ)」、
「銀紙(ぎんがみ)」の各シリーズがあります。
この「白紙、黄紙、青紙」の名称には深い意味は無く、
鋼の見分けのために目印として色紙を貼っていたことにから来ているそうです。
余談ですが、安来鋼はカミソリの素材で全世界で40%を越えるシェアを占めているそうで、
ジレット、シックなどグローバル・ブランドの刃材は、いずれも安来鋼を使用しています。
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玉鋼
古来、中国山地で取れる純度の高い砂鉄を「たたら製法」で「玉鋼」に精錬していました。
その流れをくむのが安来鋼です。
原材料の鋼が「玉鋼」を使っているのと勘違いするような表記をしているメーカーも有りますが、
玉鋼自体は現在も生産はされてはいますが非常に希少な鋼で、
日本刀専門に刀匠に向け少量生産されているだけです。
ですから、刀匠に知合いでもいて分けてもらわない限り包丁の原材料にはなり得ない鋼でして、
ましてや大量生産などは、たたらを自前で構えない限り無理な話です。
(違ってたらゴメンなさい)
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鋼(ハガネ)製の和包丁、購入直後の包丁は錆びやすい!!。
まさかぁ〜と思っていましたが、事実なんですね・・・これ!!。
購入直後の包丁を洗剤で洗い使用中のこと、
魚を捌き終わった直後、日本手ぬぐいで汚れを拭き取り置いておきました。
数分後に使おうと思い手にしてア然、サビが出ている。
霞包丁の場合だと、表側の軟鉄部分は赤錆が出て、裏側の鋼部分には黒いシミのような錆びが出ます。
赤錆は簡単に落とせるからいいですが、鋼に出たシミ状の黒錆びはやっかいです。
なにがやっかいかと言うと、なかなか落ちない。
それに加え、裏側の裏すき部(裏側の凹んだ部分)に発生しますので、
砥石を使って砥いで落とすことも出来ません。
クレンザーを使ってこすっても落ちない。
最終的には「錆び取り消しゴム」のお世話になるしかありません。
このサビですが、包丁を使い込んでいく間に出なくなるらしいと聞いたのですが、
そんなの待てないし、大量の魚を捌いていると捌いている最中から錆びが浮かんできます。
仕方ないので、包丁を買ったら使う前にクレンザーを使って数回洗ってから使用することにしています。
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和包丁について
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出刃、柳刃ともの冷凍品を切ったら1発で刃こぼれしちゃいますのでご注意を。
限りなく解凍品に近いものなら大丈夫ですけどね。
それと、購入直後の鋼(ハガネ)製の和包丁は錆びやすいんです。
まさかぁ〜と思っていましたが、事実なんですね・・・これ!!。
購入直後の包丁を洗剤で洗い使用中のこと、
魚を捌き終わった直後、日本手ぬぐいで汚れを拭き取り置いておきました。
数分後に使おうと思い手にして呆然・・・サビが出ている。
霞包丁の場合だと、表側の軟鉄部分は赤錆が出て、裏側の鋼部分には黒いシミのような錆びが出ます。
赤錆は簡単に落とせるからいいですが、鋼に出たシミ状の黒錆びはやっかいです。
なにがやっかいかと言うと、なかなか落ちない。
それに加え、裏側の裏すき部(裏側の凹んだ部分)に発生しますので、
砥石を使って砥いで落とすことも出来ません。
クレンザーを使ってこすっても落ちない。
最終的には「錆び取り消しゴム」のお世話になるしかありません。
これを使うとキズがねぇ〜。
このサビですが、包丁を使い込んでいく間に出なくなると聞きました。
ただし、きとっとメンテをしながらの話ですが・・・。
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洗剤で洗い、乾いたタオルで水気を拭き取ります。
冷水で洗うより温水の方がいいです。
理由は・・・水分が乾燥しやすい。それだけ。
食器洗浄機や乾燥機は、「鋼」にはいかも知れないけど「柄」にはマズイでしょうね。
ちなみに私は自然乾燥(放置!!)させています。
その後は乾燥した場所で保管。
長期間使用しない場合は油を塗って錆びを防ぎます。
ただし、サラダ油などは短期間ならいいですが長期間ですと変質してベトベトになってしまいますので、
専用の刃物油のご使用をおすすめします。
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包丁はホームセンターやスーパーに格安で出回っています。
ただし、鋼の和包丁は信頼できる専門店での購入をおすすめします。
理由は、メンエテナンスと言いますかアフターサービスの問題なんです。
和包丁を製造直売しているお店では、
有料にはなりますがよほどボロボロにしない限り修理や研ぎ直しをしてくれます。
きっちりメンテナンスをしておけば、10年20年と使えます。
製造直売の専門店で購入すると、その場で砥いで刃をつけてくれます。
(ショーケースに入っている刃物は仕上げの刃付けは済んでいない)
最終的にはこのように砥いでくれるからです。
また、「柄」の交換もしてくれます。
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これは・・・むずかしい問題ですね。
面倒なメンテナンスはしたくない・・・と言われるのでしたら、
迷わずスレンレスなり合金製の物がいいと思います。
メンテナンスも趣味のうち・・・でしたら、白紙2号の霞包丁を購入されればと思います。
専門店で白紙2号と言うとかなりリーズナブルな物なんですが、
普通の人が普通に使う分には何の問題も有りません。
高価な「純鋼の本焼き」をご所望でしたら反対はしませんが、これのメンテは非常に難しいく、
早い話、非常に研ぎにくい物なんです。
ただ、ステータスと言いますか、これの柳刃を1本持っているのも楽しいものです。
もし購入されるなら骨を断ち切る使い方の無い、刺身(柳刃)がいいと思います。 、
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鋼(ハガネ)について少々
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鋼材名と原料について |
鋼材名 | 原料 |
白紙 |
全部が砂鉄系が原料
鉄と炭素と若干の不純物(リン・イオウなど)から出来ている炭素鋼
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黄紙 |
半分が砂鉄系が原料
白紙と同じ炭素鋼だが白紙より不純物が多い
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青紙 |
白紙にCr(クローム)とW(タングステン)を混ぜる
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銀紙 |
ステンレス鋼
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鋼材名と材質、特徴について |
鋼材名 | 材質・特徴 |
白紙 |
天然砥石で鋭利は刃が付く。
炭素鋼は不純物が少ないほど焼入れが難しい。
白紙1号〜3号とあり、号数は炭素の含有量の違い。
よって、2号より1号の方が硬く欠けやすい。
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青紙 |
クローム(靭性・焼入性に関与する)とタングステン(が耐摩耗性に関与)と
炭素の化合物(金属炭化物)が含まれる。
炭化はニューセラミックスなみの硬度があるので磨耗しにくいので 長切れする。
焼入れもしやすく、ゆっくりひやしても硬度が出るので油焼入れが可能。
原料・製法上から白紙よりかなり高価。
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銀紙 |
クロームを多量に加えたステンレス鋼。
錆びにくいが硬度は少し低い。
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鋼材名と原料についてA |
鋼材名 | 原料 |
SK材 (炭素工具鋼) |
安来白紙鋼にくらべ、イオウ、リンなどの不純物がやや多く含まれる。
焼入れが楽。
低価格の和包丁や全鋼の洋包丁で使用。
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ハイス (高速度鋼) |
炭素鋼にタングステン、コバルト、モリブデンなどが多量に添加された物。
ハイスのバイトには炭化物が多量に含まれているので高速切削の発熱で赤くなっても焼きが戻らない。
よって、ハイスピードスチールを略して「ハイス」と呼ばれる。
耐摩耗性が高く硬度も高い。
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