高潮発生のメカニズム
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風による発生
台風の強い風が海岸に向かって吹く場合、海水が海岸に吹き寄せられて海面が上昇します。
海面の高さは、風速の2乗に比例して高くなるので、風速が2倍になると、海面の高さは4倍になります。
特にV字形の湾の場合は奥ほど狭まる地形が海面を一層高くさせるので、
湾の奥ではさらに海面が高くなります。
これを「吹き寄せ効果」といいます。
気圧による発生
また、台風が接近して気圧が低くなると海面が持ち上がります。
これを「吸い上げ効果」といい、気圧が1hPa(ヘクトパスカル)低くなると
海面がおよそ1cm高くなるといわれます。
例えば、それまで1000hPaの場所へ960hPaの台風が来ると、海面は40cm(1000-960=40)高くなります。
したがって、気圧の低い、強い台風が接近し、強い風が湾の奥に向かって吹けば吹くほど、
大きな高潮が起こります。
発生しやすい場所
台風に吹き込む風は、反時計回りで、進行方向に対して右側が左側よりも強くなっています。
したがって、東京湾、大阪湾、伊勢湾などのように南に開いた湾で、
強い台風の中心が湾の西側を通過するときは大きな高潮が発生します。
さらに暴風によって発生した高い波も沖から押し寄せるので、
高潮に高波が加わって海面は一層高くなります。
実際、過去50年間の1m以上の高潮はほとんどが東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海、
有明海、土佐湾などの、遠浅で南に開いた湾で発生しています。
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