仕立て入門

乗合船もいいですが、たまには気の合った仲間で船を仕立てる(貸し切る)のも いいですね。
なんと言っても、知らない人(他人)に気を使う必要ありませんから。

師崎の場合、仕立てと言いますと数人(多くても5〜6人)で船を貸しきる 事をいいますが、この場合の船は乗合船のような大型の船では有りません。
仕立て専用の小型船となります。

「仕立て」と「貸し切り」は多少意味が違います。



料金システム
1隻いくらのシステムです。
料金は釣り物(大物・中物・小物)によって変わります。
だいたいこの料金は2〜3人までで、1人追加につき¥3000前後の料金が必要です。

船宿にもよりますが、大人数(10名程度)が乗れる船を持っている宿もありますので、 会社の釣り大会等には十分対応できます。

釣り物にもよりますが、5人程度なら十分乗れます。

種類 料金 対象魚
大物乗合 3人まで
平日¥37000
土・日・祝¥41000
1人増し+¥3000
タコ、マダカ、マダイ、マゴチ
クロダイ等
中・小物乗合 3人まで
平日¥30000
土・日・祝¥34000
1人増し+¥3000
メバル、カサゴ、アジ、サバ、キス等
1999年 8月現在・師崎仕立て料金



エサと仕掛け
エサは料金に含まれています。
人数を追加した場合も、追加料金の中にエサ代が含まれています。

仕掛けは宿に問い合わせを入れて、自分で作るなり、購入するなりされた方がよいでしょう。
材料(ハリス、ハリなど)を持参すれば船頭さんが作ってはくれますが、それでは船頭さんが 釣りをする時間が無くなってしまいます。



釣り座の問題
中・小物の場合、ほとんどが流し釣りですから着座位置はさして問題では有りません。

しかし、大物釣りを「かかり釣り(イカリを下ろして船を固定した状態)」で行う場合は は着座位置が非常に問題となります。
かかり釣りの場合、マキエを撒くことがほとんどですから、そのマキエの中に自分 の仕掛けが入らないと釣りになりません。
つまり、マキエは潮上から潮下へ流れますから、船頭さんがマキエを撒いている位置 より潮上では、まず釣れません。

ですから、かかり釣りを行う場合は船頭さん以外に3人が釣るのが限度です。



船内への持ち物
仕立ての船は小さいので船内は非常に狭いです。
大型のクーラーを各自が持ち込むと非常にジャマになります。
食料・飲み物は1つのクーラーにまとめて乗船するのがよいです。
まあ、14〜20L程度のクーラーとバッカン1個程度が個人の持ち物としては 限界でしょう。

仕掛けを作る材料も持参された方がよいです。
最悪、船頭さんが作ってくれますから。



実釣での注意
中・小物の場合なら、その気になれば10人ほどが乗り込むことは可能です。 ただ、大人数の場合は必ず宿の許可を取って下さい。
船頭さんのエサの準備の問題も有りますから。

大物の場合、釣り方(かかり釣り・流し釣り)を宿に確認された方がいいでしょう。
大物釣りの場合は魚が釣れたら必ず船頭さんにタモですくってもらいましょう。

仕立ての場合、小船がほとんどですから、クーラーなどに腰掛けて釣ることが 有ります。船によっては小さな木製のイスが有りますが、いずれにせよ長時間 座っていると尻が痛くなってきます。

サオなどは長くても2.7m以下でないと船内が狭いもので取り回しに苦労します。



師崎方式
船頭さんは、常に漁探を見ながら操船し船をポイントに付けるていますが、 イカリを下ろしてのカカリ釣りの場合はマキエを撒いたりしながら、お客さんと一緒に釣りをします。

船頭さんも釣り客も、釣った魚はすべてイケスに入れて活かしておきます。
ただ、ハリを飲み込んだりして死んだり弱ったりした場合は、その場でシメて血抜きをし、 クーラーの中に入れておいた方がいいでしょう。

終了時間となり、港へ戻ると船頭さんがすべての魚をシメてくれます。
船頭さんが釣った魚もシメて釣り客に全てくれます。
ですから、船頭さんの釣りの妨げとなる行為は慎まないと、後々自分が損を しますよ。

釣果をサオ頭もボーズ関係無しにすべの魚を公平に分配します。
誰が言い出したか知りませんが、これを「師崎方式」と言います。

師崎方式の分配
ジャンケンで順番を決め、勝った順に欲しい魚を選びます。
当日が大漁だった場合は3〜5匹、貧果の場合は1〜2匹と、決めた数だけ欲しい魚を取り、クーラーに入れます。

ただし、自分が釣った魚の中でど〜しても欲しい魚が有った場合は、 1匹だけですが、その魚を優先的に取る権利は有ります。
これは「自由獲得枠」になります。
この権利を行使した場合、ジャンケンで決めた順番の1順目は放棄しなければなりません。

ですから、自分が釣った魚の中で自分で持ち帰りたい魚にはストリンガーで名札を付けるか、 ヒレを切って目印を付けておかねばなりません。

プロ野球のドラフトに似てますね。

魚をシメる船頭さん 魚の分配の様子



問題点
これは、あくまで私の「私見」です。

船宿にもよると思いますが、かなりマニアックな要素が有ります。
と言いますのは、船頭さんにもプライドが有ると言いますか、他の船と競争しているのか、
「釣らせてナンボ」
と言う意識が非常に強く感じられます。
率直に言いますと、モタモタしていたり、根掛かりでもしようものなら
「怒鳴られる」
場合も有ります。

ですらか、問い合わせ時、予約時に「自分の釣りのスタイル」を確実に船宿に話し、 それを当日の船頭さんに確実に話しを通してもらわないと、 特に初心者の場合は当日の釣りが台無しになる可能性があります。

釣り物に関してもですが、自分が何を釣りたいのかを予約時にハッキリさせておかないと、 船頭さんまかせではとんでもない釣りになる可能性も有ります。
と言いますのは、季節と時期により、あらかたの釣り物は決まっていますので、 それ以外の物をその場て釣りたいと言っても釣らせてもらえない場合が有ります。

ボーズでもいいから釣りたい魚を釣らせてもらうか、 出船1〜2日前の状況で、船頭まかせで釣り物を決めるか、 この2通りです。