フグ乗合
(04年12月、現場乗船確認)


知多出船の船でもフグが釣れるようになりました。
とは言っても、完全にフグのみを狙うのではなく、 ポイント的にはカワハギも釣れるのでカワハギを釣りたい人はカワハギ仕掛けで、 フグを中心に釣りたい人は「かっとう仕掛け」でフグを狙う、と言うスタイルとなります。

釣期は、10月頃から年内いっぱいだそうです。
同船した常連諸兄らのご意見でによると、初期はショウサイフグ(小さい)が中心、 後期は大型のヒガンフグが中心となり、ショウサイフグは刺身で食べても美味しく、 ヒガンフグは鍋に入れると最高だとのことです。

ちなみに、この時点でフグを釣らせてくれるのは新師崎の松新丸さんだけです。



04年12月、フグ乗合にて


仕掛け(道具)とエサ
仕掛け、オモリ、氷は各1個受付で乗船料金を払う時に頂けます。
時々、氷をもらうのを忘れてくる人がいますので気をつけましょう。
エサは現場到着までに船内で配られます。(乗船料金に含まれている)
実釣中に仕掛けやオモリを失った場合は船内で購入出来ます。

慣れないうちは、船内で船宿仕掛けを買った方が良いと思います。
そこらの釣具量販店で買うより確実に安いですよ。

仕掛け
フグがメインの場合は「かっとう仕掛け」と言われる専用の仕掛がもらえます。

これはエサの下に「かっとう針」(早い話、引っ掛け針)がついていて、 エサに寄ってきたフグを引っ掛けて釣る仕掛です。
この針はスレになっていて、引っ掛ったフグが簡単に外せます。

ご存知かと思いますが、カワハギ仕掛などエサ針に食らい付いたフグは、 歯とクチ周りが硬いため、なかなか外せませんね。
それを思うと手返しが早くなり、合理的な仕掛です。
船宿仕掛 中は「かっとう仕掛」

エサ
エサは本来は青柳が使われます。
ところが当日は船宿に青柳が無く、冷凍ウタセエビの大型を使うことになりました。
常連諸兄の話では「青柳」がイチバンとのことでしたけど・・・。

ちなみにウタセエビの場合、皮をむかずに使います。
このエビは柔らかいため、シャクっている時に勝手に外れてしまうので 身の中心に針を通し、頭の横の硬い皮から針を出して使いました。

エサをつける針 ウタセを抱き合わせで こんな感じになる

オモリ
かっとう仕掛の場合、仕掛にくっついています。
当日は25号でした。

サオ
かっとう釣りの場合は専用のサオ、もしくはカワハギ専用サオが良いとのこと。

私は持ってないので2.1m20号の竿を使用しました。
ただ、もう少し穂先の柔らかいサオが有れば、かっとうでフグのアタリを見極めれていいと思います。

道糸とリール
道糸はPEの2〜3号を200mも巻いておけばよいでしょう。
状況により、少し沖に出る場合が有ります。
私のおすすめは2号です。

リールは胴突きリールとなります。
オモリが25〜30号前後のため、そんなに大きな物は必要ありませんが、 フグがスレで掛かり上がってきますので抵抗がなかり有ります。
あまり非力なリールを使うと重さに負けて巻き上げが出来ません。

参考までに私が使っている道具を紹介します。
サオ・・・・ダイワ・HZ入舟20号2.1m
リール・・・アブ・4601C
道糸・・・・PE2号200m
クーラー・・14L



釣り場
釣り場は伊良湖水道を越えて、恋路が浜沖や神島の南側の水深が15〜25m前後の場所でした。 フグとカワハギの両方が釣れる場所ですから、根が有る場所には違い有りません。

また、居つきの魚(回遊魚ではない)のため、 そのポイントの魚を釣り尽くしたら他のポイントに即移動となります。
ですから、何度も場所移動を繰り返します。

根の有る場所を流すので、多少の仕掛けの損失は覚悟しましょう。

釣果のフグ 大型のカワハギ



実釣解説と注意点
かっとう仕掛の1番の注意点はオモリの下に針が付いていることです。
つまり、オモリが底に付いた時にはすでに針が底を引きずっている状態になっていて、 これは根の中を流す場合、非常に高い確立で根掛かりを起こします。

釣り場に着くと船長さんが水深をアナウンスしてくれます。
この水深より1m手前で道糸を止めた方が良いでしょう。
特に釣り場到着の第1投目の投入時は、船はまだ惰性で動いているため、 仕掛を底の落したら確実に根掛かりします。
それも、船に引っ張られて深く確実にフッキング(?)してしまいます。

ですから、1投目は特に慎重に投入することをおすすめします。

リールのカウンタや道糸のマーキングを数え、1m手前で止めた後はサオ先で底を取るようにして糸を出します。
で、底を確認したならば仕掛を1mほど上げた状態でアタリを待ちます。
この、底から仕掛を1m上げるのが難しく、流し釣りのため海底は常に変化して行くので、 なかなか1mをキープ出来ません。 かと言って、底取りばかりしていたら根係り頻発の可能性も有ります。
私は根掛かり覚悟で常に底を確認していたため、仕掛を多数損失しました。

つぎにアタリの取り方、これが非常に難しい。
フグがエサをつついたり、くわえて引っ張ったりする状態をサオ先で見極めねばいけません。 これは、サオ先に「ふわふわ」と出ます。

船宿の人は、時々カラアワセしろと教えてくれましたが、 それでは面白くないし柔らかいエビエサがエサが外れてしまいます。

私が取った方法ですが、
仕掛を底から1m以内に保ちゆっくりとサオを上下させ誘いをかけます。
誘いを止めると、フグがエサに噛み付き引っ張るためか、サオ先にほんの少しですが「ふわふわ感」が出ます。 ここで腕全体を使って仕掛けを上げてやるとエサが逃げると思うのか、フグも噛み付いたまま放しません。
そうすると重みを感じるのでそこで、やや強く大きくアワセを入れてやります。
エサの10〜20p下に掛け針がついているため、アワセを入れないと針掛かりしません。
そして一気に巻き上げます。

アゴに掛かった 腹に掛かった

ちなみにですが、釣ったフグは船宿がすべて捌いてくれます

松新丸さんの場合、宿に戻って番号が書いてあるバケツにフグを入れて渡します。 バケツには番号札も入ってますんで、他の人と間違えることはありません。 あとは、お茶を頂いて同船の方と釣り談義に花を咲かせている間に船宿の調理場で捌いてくれ、 棒身の状態で戻してくれ、出来た順番に番号が呼ばれます。
フグを薄作りのサシミにして欲しい場合は別料金(けっこう安い)でサシミにしてくれます。 この場合、皿を持参した方が良いかは船宿にお尋ね下さい。

この状態にしてくれる



その他
クーラーは14〜18Lの小さい物で十分だと思います。

フグのかっとう釣りをする場合、仕掛けは船宿で買った方が安いと思います。
1個は頂けますが、あと2〜3個は別で購入しておくと実釣時に買いに行く手間が省けます。

防寒対策ですが、真冬ほど寒くはなりません。
早朝や、昼間でも雲が出て日陰に入ると寒さも感じますが、 逆に晴天無風ですと結構クソ暑く感じます。
10月半ばあたりまでは、防寒には神経質にならなっくても良いと思います。
さすがに12月に入ると、めっちゃんこ寒くなります。
暑ければ脱げばよいだけですから、完全武装での乗船をおすすめします。

仕掛を道糸に付けない
根掛りが頻発しかす。
仕掛を切るしか脱出方法が無いので道糸を掴み引っ張って切りますが、 これを繰り返すと、道糸がだんだん短くなってしまいます。
サルカンで道糸にフロロ3号ぐらいの中糸(先糸?)をつけ、その先に仕掛を直にしばった方が損失が減ります。
それと、仕掛を切る場合に素手で道糸を引っ張ると危険ですから、 手袋をはめるかタオルを使うかした方がよいでしょう。
手袋は必須です。

心の葛藤、かっとう釣り
なんせカワハギ専門で釣ってる方が横でバンバン上げています。
カワハギ仕掛でもフグは釣れる。
となりで必死でアタリを取っていますと、カワハギ釣りに仕掛を換ろ・・と言う心の囁きが!!。
かっとう釣りの楽しさは、スバリあの「ふわふわアタリ」を取ること。

フグ毒について
テトラドキシンと言いまして、血清とか解毒剤は有りません。
アタったら、水をたくさん飲んで吐く、これを繰り返し天命を待つしか有りません。
くれぐれも、自分で解体して食べないように。